企業担当者に読んで欲しい、アンバサダーに関する4つの誤解〜書籍『アンバサダー・マーケティング』より 第35回
今までも、32回、33回、34回と連続でお伝えしてきた通り、アンバサダー・マーケティングは一般のユーザーだけでなく、B2B(企業間取引)でも有効です。
ただ本当に有効なのか、素朴な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで4つの誤解に基づくコラムです。以下の事例やデータは書籍『アンバサダー・マーケティング』からのものになります。
■︎B2Bアンバサダーにまつわる4つの誤解
【誤解その①】
「法人顧客は特定の企業、商品、サービスを薦めたりはしない」
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【現実】
企業の幹部には意欲的なアンバサダーが多い。ズーベランスの推奨ツールを使ってウイルス対策ソフト、ファイル転送サービス、コラボレーション・ツールなど様々な商品を周囲に薦めるアンバサダーは何十万人もいる。本書の著者が経営するズーベランス社のアンバサダー調査では、回答者の過半数(67%)が企業向けと消費者向けの商品・サービスの両方を他人に薦めていると答えているそうです。
【誤解その②】
「B2B企業のユーザーのうち、アンバサダーはごくひとにぎりに過ぎない。
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【現実】
法人ユーザーの約50%は、取引先の企業やその商品・サービスを薦める可能性がきわめて高い。法人顧客のうちアンバサダーの割合は驚くほど高い。様々な企業の実施する本格的なアンバサダー調査でも、一貫して同じような結果がでているそうです。
【誤解その③】
「B2B企業にはアンバサダーなどほとんどいない」
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【現実】
B2B企業には想像以上にアンバサダーがいる。B2B企業の場合、取引先の数は少ないかもしれないが、アンバサダーの数はきわめて多いこともある。たとえば取引先が100社でも、アンバサダーは5万人いるかもしれない。(取引先100社×その取引先内部のユーザーや潜在顧客1000人=10万人。このうち50%がアンバサダーであれば、5万人になる計算)
【誤解その④】
「アンバサダーによる活動を数値化するのは不可能だ」
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【現実】
アンバサダー・プログラム専用のシステムや技術を使えば、B2Bマーケターも通常のオンライン・マーケティングと同じように、アンバサダー・マーケティングの成果を評価・追跡することが可能だ。
アンバサダーを探して、リレーションをとっていく重要性は、消費者向けであっても、企業間向けであっても全く同じですし、効果の評価もいろいろな方法で可能だということですね。
Author Profile
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藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。