Bad Newsで顕在化した「ファンの熱量」

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編集長の四家です。
「消費する人」であるコンシューマーが、「自発的に推奨してくれる人」アンバサダーに変わることがあります。
その商品・サービスに対しての熱い思いを持っているときです。

「熱い思い」とは、すなわち「なくなられたら困る」という思い、でもあります。

そんな話を最近目にしました。
ラーメン好き、とくに九州の方ならおなじみ「棒ラーメン」の「マルタイ」です。

スーパーマーケットなどの袋めん・カップめん売り場では今、多種多様なラーメンが陳列されているが、その中に少々マイナーながら一部で熱烈な人気を誇るラーメンがある。    マルタイ(福岡市)の「棒ラーメン」だ。登山家や即席めんマニアを中心に根強いファンがいるのだが、そのマルタイの業績が振るわないらしい。ネット上では「支援しなきゃ!」「箱買いしよう!」などと騒がれている。

「棒ラーメン」のマルタイ、赤字拡大 「箱買いで支援だ!」熱烈ファンが動く(Jキャスト ニュース)

即席めん業界の老舗であり、従来から根強いファンを持つ同社ですが、ここ数年は経営状態が思わしくなく、本年3月期の業績予想を下方修正を発表したところ、この「箱買い支援」がツイートされ、これがさらに芸能人のツイッターにまで波及しています。

Topsyによると、いままで一日に100以下だった「マルタイ」を含むツイートは、4/15に経営悪化の記事が出た途端に1,762件と急上昇、ピークの4/17にはなんと8,637件に達し「支援の箱買い」はさらに拡大しています。

ただ、書き込みの一つ一つを見ていると、どうも経営悪化のニュースでマルタイというブランドを「思い出した」方が多いようです。

昔よく食べた→最近まで忘れてた→経営不振のニュースで思い出した→なくなると嫌だから箱買いしよう という感じですね。「ファンだったのに、忘れていてすみません」という声もちらほら。

「なくなったら困る」と「箱買い」するくらいの熱量を持ったファン(元ファン?)がいることは、企業として誇るべきことだと思います。
しかし、こうしてアンバサダーについて考えている身としては「これだけファンがいるのだから、もっと早くファンと繋がることができれば、違う展開もあったかもしれないなあ」と、ついつい思ってしまいます。

ともあれ、悪いニュースがきっかけとはいえこれだけの「ファンの熱量」が可視化されたわけですから、マルタイさん、ここからが勝負ですね。

僕自身も、独身時代にはこの棒ラーメンにお世話になっていました。遅まきながらではありますが、久しぶりに食べてみようかと思っています。

 

↓この本を思い出しました。

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Author Profile

四家 正紀
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 シニアコンサルタント
1967年千葉県生まれ 法政大学法学部政治学科卒 1996年(株)インプレス入社。ネット広告事業の立ち上げを担当 2002年(株)カレン入社。広報を担当しながら2004年春から企業のブログ活用について啓発活動を展開。 同年秋から味の素など大手企業のブログ案件プロデュースを開始、数多くの企画を手掛ける。 2007年よりJR東海新幹線ブロガー企画などブロガーイベントのプロデュースも担当。 2010年4月より(株)ニューズ・ツー・ユーに勤務。ネットPRの商品開発、顧客向けイベントなどを担当 2013年7月1日アジャイルメディア・ネットワークに入社。改めて、ソーシャルメディアに挑戦する。 著書  『ビジネス・ブログ・ブック』(共著 2005) 『図解 ブログ・マーケティング (翔泳社・図解シリーズ)』(2005) インターネット白書2007に『ブログマーケティング』について執筆。 他執筆・講演多数。 AMNパートナーブロガーとして 裏[4k] を運営。 また趣味としてソーシャルメディアと連動する落語会『シェアする落語』を主催している。
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2014年4月23日


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