アンバサダーサミット2014レポート(7)パネルディスカッション3 『低単価商材におけるアンバサダーの可能性と課題』

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編集長の四家です。アンバサダーサミット2014のご報告、7回目の最終回です。
(レポート6はこちらです)
体験コーナーと休憩の後は、いよいよ最終セッション『低単価商材におけるアンバサダーの可能性と課題』。

パネリストとしてご登壇いただきましたのは、
石井龍夫氏  花王株式会社 メディア企画部門 デジタルコミュニケーションセンター センター長
津田匡保氏  ネスレ日本株式会社 コンシューマーコミュニティ開発グループ ネスカフェ アンバサダー ビジネスユニット 部長
中村大亮氏 ライオン株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケション推進室
室元隆志氏  サントリー酒類株式会社 デジタルマーケティング開発部長

の皆さんです。この組み合わせによるセッション、なかなか他のイベントでは見られないと思いますよ。

 (石井氏)

(津田氏)

(中村氏)

(室元氏)

各社とも日本でも有数の消費財企業であり、テレビCMをはじめとした大量のマス広告投下を前提としたビジネスを展開される中で、ソーシャルメディアは、アンバサダーはどのように活用されているのかについて、こちらも濃密な議論が展開されました。

 

花王・石井氏は
「ソーシャルメディアをリーチで評価するつもりはないが、社内への説明はリーチを基に話すようにしている。コーポレートサイトを見ている人は12万人に対して花王のFacebookページは社会貢献など企業についての情報しか流していないのに14万人がアクセスしている。ネット上で無色透明なブランドだったのを、ソーシャル活用で顔の見える企業にしたいと思っている。

リーチではなく、お客様の言葉の波及力を最大にしたい。そのためにはどんな人がどんな話題に反応しているかを知る必要がある。反応の良かったポスト、良く反応してくれる方のプロフィールを細かく分析して、誰にどんな色の情報を出していけば共感していただけるのか、アンバサダーになっていただけるのかを考えている。
自社で運営しているユーザーコミュニティGO GO pika★pika MAMAのアクティブ率は38%ある。しかし定性データ、対話の中身を重視している。

花王 GO GO pika★pika MAMA

健康飲料でソーシャルを活用したモニター飲用キャンペーンを実施した際に調査を実施したところ、参加者ではないけどキャンペーンを認知していた人の飲用本数が明らかに向上した。アンバサダーが体験を発信することで他の人の消費に結びついた。本来は長期的な取り組みなのだが、一度しっかり調査すると社内の評価も変わる」。

 

ライオン・中村氏は「バスタイムキレイプロジェクト」「RKK女子駅伝」でのメディアミックス展開を例にソーシャルメディアご活用の様子をご説明。
「ブロード×One to Oneの統合 高速PDCA 全体最適デジタルシフトを目指している。ハイジアスプレーAMNも協力したではブロガーとのコラボレーションが効果的だった。

みなさんの声|HYGIA(ハイジア)スプレー|ライオン株式会社
ネット展開が雑誌や交通広告に勝つことはあるが、リーチやいいね数などのデータは対社内向けで、実はあまり重視していない。調査を行いより、深い数値や定性データを追いかけている。Twitterによる投稿を取り込んだ「バスタイムキレイプロジェクト」にアクセスされた方は、(同じブランドのボディソープに比べ認知の低い)「バストロジー」入浴剤の利用者が3~4倍になっている」。

 

サントリー酒類・室元氏は「山で飲むならオールフリー」の事例をご紹介。
アンケート調査によりオールフリーの飲用経験が競合に対して大きくリードする結果になった結果から「山での経験は強烈な体験であり、下山しても影響がある。さらにネットクチコミで拡散する。ただPOSデータなどでの分析は無理。ただ取扱店が増えている実績もある。取扱店が増えていることもユーザーがネットで教えてくれる。BtoBに影響している」

山で飲むならオールフリー – 山でプシュッと爽快に飲みたい登山愛好家のために

ネスレ・津田氏はもちろん「ネスカフェアンバサダー」について。
「ネスカフェアンバサダーは1年で11万件のお申し込みを頂いた。月の申し込みの10%はFacebookページ経由。使い方なども告知することで浸透している。応募にもWord of mouthつまりオンオフのクチコミ経由がかなりあり、これをさらに向上させたい。アイスコーヒーのつくりかたをFacebookページに掲載したところかなりの反響があったのでレシピブックにして配布したところ売上に結び付いた。このようにFacebookページで反響あった話題は必ず全アンバサダーに発信している。いいね数より手ごたえがある」。
これに対して石井氏が「これが大切、リアルな体験をはさむことで成果が出ている」とコメント。

アンバサダーになってオフィスに笑顔を届けよう!ネスカフェ®アンバサダー | ネスレ

「皆さんに共通しているのはアンケート調査で効果を類推していること。ここが難しい。何かアドバイスを」との徳力からの問いに対して、
中村氏からは「数字だけではなく消費者の気持ちに迫りたい。SSP(シングルソースパネル)などが有効では」
室元氏は「フルーツブランデーについてのブロガーを中心とした施策でブランデーの女性売上は107%になった。まずは[女性だけ]などとセグメントに切って測定する」。
津田氏は「売上売上と言われるが、とりあえずリサーチ目的で企画をスタートさせて実際は売上拡大につなげるつもりで動かして、成果が出たら共有。またアンバサダーさんに直接会うことも大切」。

最後に石井氏から「花王は9万点の小売店を介して商品を売っているので数字はつかみにくい。部分的にアマゾンと組んでみることで測定できそう。また経営幹部はお客様の声に弱いので、ソーシャルメディア上の実際のお客様の声をまとめてレポートしたり、P&Gのように経営会議に赤ちゃん連れの母親を連れてくるとか[ソーシャルメディアを使わない手はないでしょ]と働きかけていくことが大切」とのコメントでセッションを締めくくられました。

セッションを終えた徳力は
クチコミが効いていることはみんな直感的に分かっていたが、今までマスマーケティングがあまりにも強力過ぎたので数字もマスマーケティングしか見ていなかった。クチコミと売上の関係を数字で見せることで社内の理解は一気に進み、ネスカフェアンバサダーやソーシャルゲーム、LINEのようにクチコミからヒットし、マス展開して更にヒットする。こういう順番で考えるといいのではないかと思う」と全体を総括しました。

 

※セッションの中には会場限定のデータもありましたので、意図的にぼかした部分があります。ご了承ください。

 

ご登壇の皆さん、ご来場の皆さん、ありがとうございました。

Author Profile

四家 正紀
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 シニアコンサルタント
1967年千葉県生まれ 法政大学法学部政治学科卒 1996年(株)インプレス入社。ネット広告事業の立ち上げを担当 2002年(株)カレン入社。広報を担当しながら2004年春から企業のブログ活用について啓発活動を展開。 同年秋から味の素など大手企業のブログ案件プロデュースを開始、数多くの企画を手掛ける。 2007年よりJR東海新幹線ブロガー企画などブロガーイベントのプロデュースも担当。 2010年4月より(株)ニューズ・ツー・ユーに勤務。ネットPRの商品開発、顧客向けイベントなどを担当 2013年7月1日アジャイルメディア・ネットワークに入社。改めて、ソーシャルメディアに挑戦する。 著書  『ビジネス・ブログ・ブック』(共著 2005) 『図解 ブログ・マーケティング (翔泳社・図解シリーズ)』(2005) インターネット白書2007に『ブログマーケティング』について執筆。 他執筆・講演多数。 AMNパートナーブロガーとして 裏[4k] を運営。 また趣味としてソーシャルメディアと連動する落語会『シェアする落語』を主催している。
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四家 正紀 • 2014年3月10日


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