監修者が語る、書籍「アンバサダー・マーケティング」(第7回)秘伝の技・アンバサダーの増やし方

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好評発売中の書籍『アンバサダー・マーケテイング』を監修した藤崎実です。

商品やブランド、サービスを応援してくれるアンバサダーの価値について、これまでご紹介してまいりました。
では肝心のアンバサダーは、どうしたら増やすことができるのでしょうか。もちろんその方法も、本書に詳しく書かれているのでご紹介します。

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■実は企業姿勢がとても大切。

いわゆるマーケティングの世界では、消費者行動や社会の動向分析、メッセージの到達分析など、あらゆる角度から商品と消費者の関係を見ていくことになりますが、その目的をざっくりというと「商品を買ってもらうこと」でしょう。

もちろん広告コミュニケーションの目標はそれだけではありませんが、身も蓋もない、味毛ない言い方をすると「商品を買ってもらうこと」は、企業のマーケティング活動において、紛れもなくど真ん中に位置する重要な目的です。

そのためにどんな視点や方法があるのか、というのがマーケティングであり、本書は、その最新の指南書というわけですが、では企業がリレーションを取っていくべき肝心のアンバサダーは、どうやって増やせばいいのか。そこにはどんな秘術が隠されているのか・・・。

しかし、本書で紹介されているその極意は、驚くほど誠実なものであり、むしろ企業活動のあり方を根本的に問うものとなっています。えっ、もっと手っ取り早く、簡単で効率的な方法を教えてくれるんじゃないの?という声が聞こえてきそうです。

以下、多少長くなりますが、本書から第4章「アンバサダーを増やす5カ条と効果的(そして衝撃的な)方法」を引用してみましょう。

■「アンバサダーを増やす5カ条」

1 “ヤバいぐらい最高の製品” — “ヤバいぐらい最高”(insanely great)は、故スティーブ・ジョブズの名言の一つだ。ありきたりの商品やサービスを熱心におススメする人などまずいないだろう。アンバサダー・プログラムは、誰もが熱心におススメしたくなるような商品やサービスを創ることから始まる。

2 記憶に残るサービス — 同じような商品やサービスがあふれている今日、サービスは強力な差別化要因となる。百貨店のノードストローム、靴のネット販売のザッポス、フォーシーズンズ・ホテルは類を見ないサービスを提供することで、多数のアンバサダーを生み出した。

3 ”良い利益”を得る努力をする − 顧客ロイヤリティの権威であるフレッド・ライクヘルドは、”良い利益”と”悪い利益”を説明している。悪い利益とは、例えば詐欺のような価格設定、顧客サービスのカット、隠れた費用を顧客に押し付けることで得た利益のことだ。

4 コストが増えても正しいことをする − 余計な費用がかからなければ、企業は進んで正しいことをしようとする。だが、正しいことをするとコスト増につながる場合は、安易な道を選ぶ企業が多い。しかし、たとえばレモン一個の返品を認めるとコストが増えるとしても、認めたほうがいい。それによって批判者を作ってしまうよりはるかにましだ。失敗をしたら、それを認め、できるだけ早く対応しよう。(以下略)

5 社会的良心を持つ(持っていなければ早いうちに身につけよう) − 社会的良心のある企業やブランドのほうが、おススメされる可能性は高い。ナイキは労働者を低賃金で働かせていたことが明らかになったため、アンバサダーに見放されてしまった。社会的問題に対して良心的な立場をとったり、コミュニティに利益を還元したりしよう。

……いかがでしょうか。1から5のどれもこれも基本的なことであるが故に奥深く、しかもこれらの企業活動は、企業姿勢や企業哲学を根本的に問う内容と言えるでしょう。

冒頭にマーケティングの目的は「商品を買ってもらうこと」と書きましたが、表層的な取り組みではアンバサダーを増やすことができず、「アンバサダー・マーケティング」を行うことはできないというわけです。
真のファンであるアンバサダーをつくり、増やすためには、まずは一本筋の通った企業姿勢や企業哲学を確立することから。

つまり、「アンバサダー・マーケティング」とは、決して奇を衒った戦略論ではなく、心づくしの企業姿勢が反映されていくもの、と言えるかも知れません。

 

監修者:藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。クリエイティブディレクター。AMN コミュニケーションラボ主宰。日本広告学会クリエーティブ委員、WOM マーケティング協議会理事、東京コピーライタースズクラブ会員。青山学院大学(2012)、学習院大学(2013〜)非常勤講師。カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など受賞多数。

 

アンバサダー・マーケティング
ロブ・フュジェッタ
日経BP社

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藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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2014年1月29日


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