ケロッグが食物繊維たっぷりの世界初のシリアルを開発したお話(アンバサダープログラム事例②)

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ケロッグから「ブランフレーク」が発売されて今年で100周年。誰もが知っているオールブランですが、ここでその歴史を振り返ってみましょう。

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【ケロッグの歴史】

■時は1800年代後半、米国ミシガン州バトルクリークの保養所のこと。
J.H.ケロッグ医学博士と弟のW.K. ケロッグの兄弟は、保養所の人々のために食物繊維が豊富な穀物や大豆を材料に栄養豊富な食品の開発に取り組んでいました。

この保養所がオールブラン誕生の原点となるわけですが、このように商品の誕生にきちんとした理由がある商品は本当に強いですね。しかも、保養所の人々に向けての食品開発です。健康志向というコンセプトが開発当初から明確だったんですね。
以下は、発売までの流れですが、原型の発明から「Bran Flakes」の発売まで11年の年月をかけているというのもすごいと思います。このケロッグのたゆまぬ努力がオールブランの原点にあるのですね。

■1894年:兄弟は食べやすく栄養豊富な食品としてシリアルの原形となる「グラノーズ」を発明。
■1906年:W.K. ケロッグが「米国ケロッグ社」を創設。
■1915年:世界初の食物繊維が豊富なシリアル「Bran Flakes」を発売。
■1923年:「All-Bran」が商品名に正式採用。

【食物繊維の歴史とオールブラン

ところで食物繊維の歴史は古代ギリシャにさかのぼると言われています。
しかし当時は食物繊維の存在はわかったものの、その効果には注目されるどころか、「吸収されない」、「必要な栄養素まで出してしまう」として食べ物のカスだと考えられていました。

しかし、医学博士でバトルクリークの保養所の所長だったケロッグ博士は、小麦ブラン(ふすま)に関心を持ち、研究の結果、お腹に不調を抱える患者へのよい影響を確認。
それがオールブラン誕生のきっかけになったというわけです。

そして研究を重ねた結果、お腹の調子を整えることを目的にした世界初の食物繊維たっぷりのシリアル「Bran Flakes」を1915年に発売しました。

当時、この商品はすぐに評判となり、食物繊維の健康効果に一躍、注目が集まることになったそうです。まさに研究は一夜にして成らず。ケロッグ博士の並々ならぬ情熱と研究の末に、現在のケロッグが生まれたのですね。

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※左は1915年の「ブランフレーク」パッケージ、右は1923年の「オールブラン」パッケージ

【オールブラン アンバサダー】

「オールブラン アンバサダー」とは、オールブランに共感を持っていただける方や、オールブランの効果を実際に実感したことのある方、オールブランの取り組みにご参加いただけるファンの方々です。

そんなアンバサダーの方々と一緒に、オールブラン100周年を盛り上げようという「オールブランアンバサダープログラム」は、まさにユーザーと一緒に共感の輪を広げていこうというアンバサダーマーケティングにぴったりの企画だと思います。

なんと言っても、100年も前から「食物繊維ひとすじ」に研究を重ねてきたオールブランです。長年に渡って多くのファンがいるのも納得ですし、人々のために栄養豊富な食品の開発に取り組んできたブランドですので、ユーザーと一緒にマーケティングをおこなうというのも、理念にかなった実に素晴らしい試みだと思います。

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▼︎ケロッグ「オールブラン アンバサダープログラム」
http://www.allbran.jp/ambassador/

▼︎ケロッグ オールブラン ブランドサイト
http://www.allbran.jp/index.html

ケロッグの「オールブラン アンバサダープログラム」事例、次回もお楽しみに!

Author Profile

藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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2015年8月10日


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