アンバサダー思考録 第8回:ファンによるクチコミ貢献はプロモーション“期間外”も見ないと分からない、という話

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代表取締役の上田です。久しぶりの投稿となります。よろしくお願いいたします。

(過去の『アンバサダー思考録』については、こちらをご覧ください)

 

ブログやSNSといったソーシャルメディアを通じて、エンドユーザーと繋がり、声を聴くことが可能になったことはブランドにとって大きな機会となります。

しかし、実態の活用方法としては、“告知先”としての一方的なプッシュコミュニケーションにとどまっているケースも多く、その価値は一面しか見られていないことは前回のコラム:第7回:今までのソーシャルメディア効果測定はもうやめて、『人』を見ようでもお伝えしました。

先に結論をお伝えしますが、「ファンのクチコミや推奨はリレーションによって活性化することが可能」です。

“CRMは大切”とか、“きっとクチコミしてくれているだろう”ではなく、「何倍活性化できたのか」という明確な成果を可視化することができるようになってきました。

アンバサダーの価値を『人軸』で計測する際には、「リアル」、「デジタル」の両面を見る必要があると考えています。

今回はファンの貢献を明らかにするために必要な視点や、仕組みについて考えたいと思います。

1人ひとりの貢献価値計測は継続したトラッキングが必須

公式SNSアカウントの投稿への反応や、プロモーションの施策期間中の反応総量だけを見る様な“山の高さを測る”効果測定のやりかたでは、アンバサダーの貢献を正確に把握することはできません。(もちろん個別施策の反応を測定することは重要ですが)

正しく貢献を把握するためには、ユーザー自身のSNSアカウントやブログでブランドが、どの様に語られているのかを「継続的にトラッキングする」ことが重要となります。

アンバサダープログラムでは、オープンに募集するアンバサダー登録を通じて、登録者自身のSNSやブログと連携※することで、アンバサダー登録者の「属性・利用指標」、SNSやブログ上の「影響力指標」、ブランドへの発言実績を元にした「ロイヤルティ指標」の3軸で分析を行っています。
※OAuth認証やRSSフィードを通じて、許可を得たうえで情報を取得

なお、アンバサダーの応募はオープンに行われており、基本的に誰でも登録が可能です。
例:KFCアンバサダー登録フォーム

KFCアンバサダー登録フォーム

オープンに募集して登録過程で認証分析する

ひとりひとりの発言力・影響力・参加状況を継続して把握
注:当社アンバサダー登録・分析・管理ツール「アンバサダーダッシュボード」管理画面

 

この様に、『人軸』で貢献効果を計測するためには、特定期間だけの貢献を見るのではなく、継続してブランドについての貢献をする人を分析・把握することが何よりも大切なのです

 

キャンペーン“期間外”のクチコミは宝の山?

製品/サービスのリリース時、キャンペーン期間といった「特定の期間の反応」だけ見ていては、アンバサダーの発見や、価値証明をするには不十分です。

個人的にはキャンペーン期間外の“無風状態”の時にこそ、何がファンによって語られているのか?そのクチコミ動機は何なのか?といったポイントを把握することが重要であり、コミュニケーションアイデアの宝庫と言っても過言ではありません。
そして、キャンペーン期間外もブランドの価値を自発的に発信してくれる存在、“真のロイヤル顧客=アンバサダー”を見つけることができるようになるのです。

アンバサダーがブランドについて何が語られ、何が“キッカケ”になっているのか・・・興味が湧きませんか?

プロモーション期間外に何が語られているのか

アンバサダー施策におけるデジタルの貢献計測ポイント

ブログやSNSとの連携をするメリットとして、「過去の発言も取得が可能」という点が挙げられます。

つまり、「Aさん」は、アンバサダープログラム登録「前」にはブランドについてどの位言及してくれていたのか、ということが分かるのです。

「過去の発言状況」を把握し、「未来の発言をトラッキング」することで、「変化」を把握することができます。

これにより、デジタル側で取得可能なデータから、仮説と効果測定ポイントを設定することができます。

仮説と効果測定ポイントデジタル側

上記はあくまでも一例ですが、大切なのは仮説と実行、そして検証をした上でチューニングをする、というPDCAのサイクルがコミュニケーションにおいても大切であると考えています。

 

アンバサダーは「動機付け」と「機会の提供」で活性化される

冒頭でもお伝えしたとおりアンバサダープログラムを通じて、「ブランドのファンによるクチコミは活性化する」というデータが明らかになってきています。

以下は当社で運営支援をするアンバサダープログラム22ブランドを対象に調査した実績値です。

高関与商材、低関与商材、webサービスから流通、店舗業態など様々なブランドにおいて継続した調査を行った結果、「全てのブランドでファンのクチコミは増加する」という結果がでており、驚くべき事に、コンサバな中央値でも発言者は3倍、発言量は5倍になることが分かっています。

ブランドによっては10倍を超える発言増加を見せることもあり、ファンを動機付けし、機会を提供することの価値が証明されたと言えるのではないでしょうか。

全てのプログラムでクチコミ活性化を確認

当然ですがアンバサダー本人が活性化するため、LTV向上に寄与することは言うまでもありません。

しかし、それよりも本質的な成果は、プロモーション有無に関わらず、長い期間を通じて価値を伝え続けてくれる人を増やしていくことではないでしょうか。
これは、ある意味「優秀なセールスパーソンを増やす」活動でもあり、15秒のCMや4C1Pの雑誌のクリエイティブでは伝えられない役割を担ってもらっていると言えます。
デジタルを通じて「測れる」領域が広がったことで、中長期のファンの貢献、ストック型のコミュニケーションの価値が証明しやすくなってきました。

流行のプラットフォームに対応するか悩む前に、いま一度webやリアルを通じたエンドユーザーとの接点を再設計する機会にするのも良いのでは、と考えています。


今回はアンバサダーの貢献を「デジタル側」から見ていきました。
しかし、熱量の高いファンの貢献はデジタルだけ測るのは過小評価です。

当然“リアル”でもクチコミや推奨は行われているのは、皆さん自身の過去の経験からも明らかではないでしょうか。

次回はアンバサダーによる「リアル側の貢献」についてどの様に効果測定と評価をするべきかについてお話したいと思います。

 

Author Profile

上田 怜史
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
代表取締役社長 CEO

商社にて建材を取扱い建設会社、設計事務所への営業活動に従事。 2004年シーネットネットワークスジャパン株式会社に入社し広告営業に従事した後。株式会社 ディー・エヌ・エーにて「モバゲータウン(現mobage)」の広告・企画営業を担当。2007年アジャイルメディア・ネットワーク株式会社入社。2009年3月取締役に就任後、2014年3月より代表取締役に就任。
企業やブランドの「熱量の高いファン=アンバサダー」とのコミュニケーション設計・支援、講演活動を行う。
茨城県 いばらきインターネットテレビ事業 検討委員会委員
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上田 怜史 • 2015年10月21日


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