なるほど、ソーシャルメディア時代はB2Bの分野でもクチコミやアンバサダーが有効だというお話〜書籍『アンバサダー・マーケティング』より 第32回

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数回にわたりフォードがアンバサダーと連携した画期的なソーシャルメディアプロモーションをご紹介しましたが、今回はB2B分野でのお話です。ソーシャルメディアの発展はB2Bの分野でも多くの変革をもたらしました。今回も重要なヒントがありますので、業界外以外の方も、ぜひともお読みください。なお、以下の事例やデータは書籍『アンバサダー・マーケティング』からのものとなります。

アンバサダーマーケティング藤崎実32

■︎企業間取引でもクチコミは有効です!

書籍『アンバサダー・マーケティング』の中で著者のフェジェッタ氏はこう書いています。

「セミナーでアンバサダーについて講演すると、業務用商品を扱うマーケターから決まって次のような質問を受ける、それはB2B(企業間取引)にも有効なのか」と。そしてフェジェッタ氏はこう断言しています。

「ほとんどの場合、答えは“間違いなく有効”だ」

フェジェッタ氏がCEOをつとめるズーベランス社でも、インテュイット、マイクロソフト、ボックスなどは、B2B市場で好意的なクチコミを広め、B2B分野でのアンバサダーを活性化することで合計数十億ドルものコンピュータ、ソフトウエア、マーケティング・サービスなどを販売しているそうです。

つまり一般の商品と同様に、もしくはそれ以上にB2B企業や商品のアンバサダーは、企業が提供する推奨のためのツールを使っておすすめの言葉を書いたりシェアしたりすることに、驚くほど前向きだそうです。

ズーベランス社の顧客企業では、B2Bアンバサダーの約25%はレビューや体験談を書いたり、ネットを使って自らのビジネスネットワークでプロモーション情報や体験コンテンツをシェアしたりするそうです。例えばネット小売業のCDWではアンバサダーのなんと65%が、同社のサービスを利用したという経験に基づくクチコミを書いているそうです。

 

■︎購入に失敗したくないから、クチコミを参考にする時代

一般にクチコミとは、一般ユーザーから発信される何気ない感想やコメントなどといった印象があると思います。ですので、B2B(企業間取引)などの少し固い分野は、クチコミとは無縁な印象があるかも知れません。

しかしここでB2Bの分野においても、クチコミはもともと絶大なパワーがあったということを思いだす必要があります。企業の購買担当者は、ソフトウエアなどの業務用商品やマーケティングツール、金融や会計ソフトなどを購入する際に、たいてい他人の意見やネットのレビューやコメントを参考にするものです。理由は簡単です。個人としての買い物ではなく、企業担当者として購入する以上、その導入に失敗したくないからです。つまり多大な責任が伴うからです。

企業の購買担当者に最も大きな影響を与える要因として挙げられるのはクチコミだそうです。企業におけるクチコミの影響力を研究したある調査では、意思決定者の56%がクチコミを非常に大きい要因に挙げ、ダイレクトメール(32%)、新聞広告(32%)、ラジオ広告(22%)を大幅に上回ったという結果がでています。(※)

B2B企業には、売上の半分以上をクチコミから得ている企業もあるそうです。ズーベランス社の調査によると、B2Bマーケターの48%が売上の半分以上をクチコミから得ていると答えたそうです。

■クチコミが及ぼす影響力は、個人の消費者よりも、企業の購買決定者に対する方が大きい

クチコミによって購入した歯磨きやソフトドリンクが気に入らなくても、せいぜい2-3ドル損するだけですが、ERPソフトウエアなどの選択を誤ると、企業には数百万ドルの損失を与えるだけでなく、自分のクビも危なくなるかもしれません。

だから、購入に失敗したくない企業の購買担当者にとってクチコミは、商品やサービスを購入するかどうかを決める重要な手掛かりになっているというのです。確かに企業の購買担当者が購入者レビューやクチコミに真剣でないはずがありませんよね。

(※)Driving word of mouth advocacy among business executives, keller fay group for jack Morton worldwide, 2007

 

アンバサダー・マーケティング
ロブ・フュジェッタ
日経BP社

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藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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藤崎 実 藤崎 実 • 2015年6月15日


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