有料広告を使わず事前認知度60%を獲得!フォードのソーシャルメディア成功事例から学ぼう③〜書籍『アンバサダー・マーケティング』より 第29回

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フォードがアンバサダーと連携しておこなったプロモーションは大成功を収めました。前回前々回に続き、今回も有意義なヒントがあると思いますので、自動車業界以外の方も、ぜひともお読みください。

アンバサダーマーケティング藤崎実29

■︎有料広告を使わずに、事前認知度60%を獲得。

2010年の発売を控えて2009年から半年以上にわたって行なわれた事前プロモーション「フォード・フィエスタ・ムーブメント」は大きな成果を得ました。前回に引き続き、そのデータをいくつかご紹介します。

①有料広告を使う前の「フィエスタ」の認知度は60%を達成。
(これはフォードとしても前例のない結果だとのこと。)
②フォードのフィエスタ用のお客様窓口には13万人がメールを登録。
③そのうち、約83%はフォードの車に今まで乗ったことがない新規のユーザーであり、さらにメール登録者の約30%以上が25歳以下の人だった。

以上の結果からも、新規顧客の開拓と、若者層へのアピールが成功したことがわかります。
「フィエスタ」のモニター募集の際に、フォードは年齢条件をつけたことは前々回の連載で述べましたが、今回のプロモーションでソーシャルメディアを活用したことにより、フォードという企業へ好意を寄せる層が若々しくなったことは、実際の数字以上の価値があるのではないでしょうか。

まさにアンバサダーが作り、広げてくれたSNS上のコンテンツが、人々の新車やフォードに対する印象を変えてしまったといえます。

■アンバサダーへ向けたパーティーを開催!新車の発表会も!

いよいよ翌年に発売を控えた2009年の12月1日、フォードはハリウッドでパーティーを企画しました。そして、「みなさんにも是非参加してもらいたい。コミュニティの力を合わせよう!」とアンバサダーへの参加を呼びかけました。

参加したのは、フィエスタアンバサダーと、彼らの友人、そしてフィエスタのファンたちです。そして半年間におよぶ「フォード・フィエスタ・ムーブメント」でのアンバサダーの活動を讃えて、その活動の締めくくりとしたのでした。
さらにパーティーの後は100名近い人たちを、ロサンゼルス・オートショーに連れ出し、新車発表のお手伝いをしてもらったそうです。

▼その時の記事は、こちら

■発売までの第2章も用意されていた!

「フォード・フィエスタ・ムーブメント」は2009年12月までのプロモーションでしたが、「フィエスタ」の発売は2010年の4月です。では、発売までの数か月、プログラムが終了したにも関わらず、クチコミを広めることはできるのでしょうか。オンラインのクチコミへの取り組みは?実はフォードは第2章を用意していたのでした。

フォードの呼びかけは続きました。過去半年間にわたる「フォード・フィエスタ・ムーブメント」の取り組みに満足したなら、次は自ら参加し、「フォード・フィエスタ・ムーブメント・第2章」の一翼を担う20チームに参加しよう、まずはサイトを訪問し、ルールを確認して欲しい、と。

フォードは車を返却しなければいけなくなった100名のモニターに対して、みなさんとの関係を今後も育んでいくつりだということ、彼らには@FordFiestaAskに参加してもらいたいということ、一般ユーザーからの問い合わせやフィエスタについての質問などに答えるアカウントもあるので、手伝って欲しいこと、「リアル・アンサー」のインターフェースをチェックして欲しいこと、ハッシュタグ「#FiestaAsk」をフォローして欲しいこと、
また、ショッピングサイトでは、フォードの車を完全にカスタマイズできることなどを伝え、協力を依頼したのでした!

■大切なのはコミュニケーションの設計

新車の発売前に実際に車をユーザーに100台貸し出して、半年もの間、試乗してもらう。実際にユーザーに使ってもらうことでさまざまなコンテンツが生まれ、シェアされ、共感の輪が広がっていく。その半年が終わった後は、さらに一歩踏み込んでもらい、企業と一緒になってプロモーション活動を手伝ってもらう。

アンバサダーと連携をとり、ソーシャルメディアを立体的に活用した「フォード・フィエスタ・ムーブメント」は、発売日まで長期に渡るコミュニケーションが設計されていたことも大きな特徴だと思います。

フォード・フィエスタ・ムーブメント
スコットモンティのサイト
Ford’s Got a Reason to Fiesta

 

アンバサダー・マーケティング
ロブ・フュジェッタ
日経BP社

Author Profile

藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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コラム

藤崎 実 藤崎 実 • 2015年4月23日


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