【調査結果】1件のクチコミには300ドルの価値が? 〜書籍『アンバサダー・マーケティング』より 第19回

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前回前々回と「推奨の金銭的価値」という視点から「売上価値」、「メディア価値」と連載を続けてきましたが、今回もまたアンバサダーがもたらす推奨価値についてです。今回はズバリ、肯定的なレビューがもたらす金銭的な価値についてです。

アンバサダーマーケティング藤崎実19

 ■信頼度の高いクチコミはさらにプライスレス

書籍「アンバサダー・マーケティング」によると、クチコミを得意とする広告代理店のバズエージェントの調査結果として、クチコミによる推奨には1件あたり300ドルの価値があるという記述が出てきます。

これはマーケターが通常、ネット広告を1件表示してもらうのに支払う平均金額15ドルに、クチコミならではの価値(ターゲティング、エンゲージメント、持続的な価値)を足し合わせた結果だそうです。

本書の著者、ロブ・フュジェッタ氏はこの主張には説得力があると述べ、さらに以下のように付け加えています。「ただし、CPM(コスト・パー・メッセージ)のようなペイドメディア特有のメトリクスを使って推奨の価値を測るのにはいささか違和感がある」

「ほとんどの消費者が広告やペイドメディアを無視する世の中で、信頼性の高い、顔のみえるおススメにはとてつもない価値がある。「ひと言で言えばプライスレス(値段がつけられないほど貴重)だ!」

■推奨価値を測るもう一つの方法(否定的なレビューで失われる推定金額

コンバージー社の調査によれば否定的なレビューが1本書かれると企業は30人の顧客を失う可能性があることが明らかになっているそうです。この調査をもとにフロリダ州のオーランドの小さなリゾートホテルが、一本の悪意のあるレビューによってどれだけの被害を被るかの計算が紹介されています。(※以下はズーベランスの推計)

①平均的な顧客の利用額=500ドル(←1泊あたり125ドル×4泊)
②否定的なレビューによって失う見込み客の推定値→30組
③否定的なレビューによって失う売り上げの合計=15000ドル(←500ドル×30組)

いかがでしょうか。否定的なレビュー1本で15000ドルが失われることが想定されるということです・・・。

■推奨価値を測るもう一つの方法(肯定的なレビューで得られる推定金額

ではその逆もあり得るのではないか、というのがフュジェッタ氏の意見です。例えば上記であげたフロリダ州のオーランドの小さなリゾートホテルの場合、100件の好意的なレビューが書かれた場合、その推奨価値はどのくらいになるでしょうか…。

まず、否定的なレビュー1本で30人の顧客を失う可能性があるのであれば、その逆に肯定的なレビューによって獲得される顧客の数は30人と想定されます。従って100件の肯定的なレビュー×30人の顧客=3000人の見込み顧客の創造が推定されます。そしてそこに平均的な顧客の利用額をかけてみましょう。

3000人×500ドル=1,500,000ドル

いかがでしょうか。100件の好意的なレビューが書かれた場合、その推奨価値は金額にしておおよそ1,500,000ドルにも相当するというわけです。もちろん、もっと具体的な数字が必要なケースは多いと思いますが、こうした推計は推奨の価値を大雑把につかむのには役立つかも知れませんね。

以上、本書からのご紹介でした。ぜひとも参考にして頂きたいと思います。

Author Profile

藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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藤崎 実 藤崎 実 • 2014年8月20日


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