監修者が語る、書籍「アンバサダー・マーケティング」(第1回)翻訳本の出版について

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本書を監修した藤崎実です。これから数回にわたり、書籍「アンバサダー・マーケティング」についてご紹介していきたいと思います。まず今回は私の自己紹介と、出版の経緯についてです。よろしくお願いします。

 

■コミュニケーションのカタチは時代とともに変わる

私は長年、広告会社でマスマーケティングに携わってきました。そして現在はアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)にいるわけですが、それは生活者やユーザーを代表するAMNの立ち位置と、そこから生まれた「人」に着目するという取り組みに、コミュニケーションのこれからの姿をみているからです。言い換えれば、コミュニケーション分野における、これからのマーケティングの一端と可能性がここにあると思うからです。(あくまで一端です。さまざまなマーケティングが併用され、融合される時代だと思いますので。)
それはひと言で言えば、本来マーケティングが求めていた人とのつながりだったり、マスマーケティングでは成し得なかった双方向のコミュニケーションだったりするわけですが、それはまた回を改めるとして…。

さて今回の本題です。
インターネット、特にソーシャルメディアの発展とともに生活者のライフスタイルや情報摂取のあり方が大きく変わったのは、言うまでもありません。しかもこのうねりは、世界中で同時進行して生まれた流れであり、もはや不可逆なものだと思えます。

一方、そもそも広告やコミュニケーションは、いつの時代も生活者と共にあるもの。従って時代が変わり、ライフスタイルや情報のあり方が変われば、そのカタチがどんどん変わっていくのは歴史を見れば明らかです。当然、マーケティングも時代に合わせた変革を求められているはずですが、では誰もが新しい第一歩を実際に踏み出せるかというと話は別です。

それはなぜでしょうか。理由はたくさんあると思いますが、そのひとつに「勇気」があげられると思います。要するに新しい一歩には勇気がいるのです。新しい時代のうねりが目の前に広がり、世界が確実に動いていることはわかっていても、まだ成功の方程式がはっきりとわからない時、そこに飛び込むのをためらうのは当然かも知れません。企業活動としてのコミュニケーションやマーケティングであれば、なおさら慎重になるのは当たり前でしょう。

 

■ブランド・アドボケーツというパワー

そんな日本の状況に先行し、アメリカの広告業界やWOM(クチコミ)業界、世界のマーケティング業界では、すでに数年前から、「ブランド・アドボケーツ(Brand Advocates)」というキーワードに注目が集まっていることは、いろいろな報告から聞いており、AMNの取り組みのキーワードにもなっていました。
「ブランド・アドボケーツ」とは、ソーシャルメディアの発展により顕在化してきた、特定のブランドや商品、サービスについて自ら発信し・推奨するファンのことです。そしてそうした人たちによるクチコミや発信のパワーをマーケティングに生かすさまざまな取り組みが実際に行われ、しかも大きな成果をあげているのでした。

そんな中、昨年、多摩美術大学の佐藤達郎教授を通じて、この「ブランド・アドボケーツ」を解説した初めての本がアメリカで出版されたことを知りました。そこで原本を入手すると、成功事例が豊富に紹介されていることがわかりました。

この本を翻訳して日本に紹介することで、日本の広告業界にアメリカの最新事例を知ってもらえるのではないか。そして、新しい一歩を踏み出すことにためらいを持つマーケターのみなさんに、少しでも勇気を感じてもらうことができるのではないか。また、そもそもこの本に書かれているのは、従来のマーケティングにはない視点のものなので、翻訳して紹介すること自体に大きな意味があるのではないか。

そのあたりの意義に関しても、毎年アメリカで開催されているWOMMA SUMMITに参加し、日本広告学会でも「ブランド・アドボケーツ」について発表された佐藤達郎教授からアドバイスを頂くことができました。そんな経緯で翻訳プロジェクトがスタートしたのでした。

なお、この本は精緻な理論書というよりは、いろいろな業種の事例が豊富に紹介された実践的な内容なので、実感として理解しやすいのが特徴です。
従って、ソーシャルメディア時代のマーケティングを考える人にとっては、ヒントの多い指南書として。また、時代のトレンドや時代の潮流を知りたい人にとっては、単純に読み物としても楽しめると思います。

いずれにしても新鮮な時代の風を感じることができると思いますので、ぜひとも手にとって頂ければ幸いです。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。次回は本の題名でもある、アンバサダーという訳についてです。お楽しみに。

監修者:藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。クリエイティブディレクター。AMN コミュニケーションラボ主宰。日本広告学会クリエーティブ委員、WOM マーケティング協議会理事、東京コピーライタースズクラブ会員。青山学院大学(2012)、学習院大学(2013〜)非常勤講師。カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など受賞多数。

 

アンバサダー・マーケティング
ロブ・フュジェッタ
日経BP社

Author Profile

藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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書籍

藤崎 実 藤崎 実 • 2013年10月7日


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