企業がアンバサダーを組織化した成功事例とマーケターが手にする7つの成果〜書籍『アンバサダー・マーケティング』より 第33回

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アンバサダー33_藤崎実

前回は意外にも一般消費者に比べて、実は企業の購買担当者のほうが、クチコミに真剣に向き合ってくれるというお話でした。今回も他業界にも応用可能なヒントがありますので、ぜひともお読みください。

■︎企業間取引でもクチコミは有効というお話

今日では多くのB2B企業にとってマーケティング戦略を見直す傾向にあるようです。しかも、それは決して表面的な見直しにとどまらないようです。もっと物事を根本的に解決したいと思うのは時代の流れだと思います。

では、どんな戦略が必要なのでしょうか。そして、その戦略の構想の中にアンバサダーとのリレーションは入っているでしょうか?
もしまだでしたら、ぜひともアンバサダーとの関係構築を考えることをおすすめします。

もし自社商品のファンの推奨をマーケティング戦力に変えることができれば、B2Bマーケターには以下のことが可能になると本書では述べられています。推奨するファンとのリレーションは、必ずやパワフルなリターンが期待できるということです。

  1. 他の紹介制度の数分の一のコストで、数千人の質の高いクチコミによる紹介客を獲得できる。
  2. きわめて低いコストで営業部門を補強できる。
  3. 新規顧客を獲得し、同時に顧客獲得コストを下げられる。
  4. 好意的なクチコミを広げ、否定的なクチコミを抑えられる。
  5. 企業の信頼を高められる。
  6. 貴重な顧客の意見を得られる。
  7. 最も大切な顧客であるアンバサダーとの関係やエンゲージメントを深められる。

■何と、売上げの5割がクチコミから!

サンフランシスコに本拠を構えるバーティカル・レスポンス社は、クチコミのパワーを利用していますが、そのきっかけは、ある顧客調査だったそうです。その結果とは、「バーティカル社の売り上げの実に50%がクチコミからのものだった」というもの。

これにはバーティカル・レスポンス社の創業者兼CEOのジェニン・ポピックも驚いたそうです。「クチコミの影響が大きいことはわかっていたが、50%とは信じられない。なんてすごい効果だろうと思ったわ」とポピックは振り返る。

ポピックは2001年にバーティカルを創業する以前は、NBCインターネットでダイレクト・マーケティング部門を率いていたマーケティングのプロですが、そのポピックが驚いたと言うのです。

■アンバサダー部隊を組織化してマーケティング戦力に!

サンフランシスコに本拠を構えるバーティカル・レスポンスは、今、クチコミの力を活用しています。まずはバーティカル・レスポンスをおススメしてくれそうな顧客を数千人、組織的に開拓しているそうです。そしてそのアンバサダーが好意的なクチコミを広げ、売上拡大に貢献してくれるように、ツールを開発して提供する予定だそうです。これは要するにアンバサダーの方々を実質的なマーケティング戦力に変えようとしている、ということです。

バーティカル・レスポンス社はこれまでに、顧客ロイヤルティ(忠誠度)を測る「究極の質問」を使って1万人近いアンバサダーを発掘しました。調査対象となった顧客の約65%がアンバサダーでした。これは顧客が10万人いれば、6万5000人のアンバサダー部隊ができる計算です。

■企業がユーザーを大切にすれば、アンバサダーが助けてくれる

ポピックはアンバサダー割合がこれほど高かったのは、バーティカル・レスポンス社の充実したサポートとサービス体制のおかげだと感じているそうです。

「私たちは面倒見がいいの。バーティカル・レスポンス社の典型的なお客様は、従業員10人以下の小さなネット小売業で、技術に詳しくないから」とポピックは言います。

当たり前ですが、企業がどこまでユーザーを大切にしているか。企業が普段からユーザーとのつながりを重視しているか、という基本的な姿勢が肝心だということですね。

企業がユーザーのサポートを親身になっておこない、信頼の絆がしっかりと結ばれていれば、ユーザーはアンバサダーとして企業の取り組みに力を貸してくれる、ということでしょう。

 

 

アンバサダー・マーケティング
ロブ・フュジェッタ
日経BP社

Author Profile

藤崎 実
藤崎 実
藤崎実 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 クリエイティブディレクター
(プロフィール) 博報堂、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODOでの仕事を経て、アシャイルメディア・ネットワーク勤務。AMN コミュニケーションラボ主宰。多摩美術大学、日大商学部 非常勤講師 ◎日本広告学会クリエーティブ委員、産業界 評議員 ◎日本マーケティング学会/日本広報学会会員 ◎WOMマーケティング協議会 理事/事例共有委員会委員◎東京コピーライターズクラブ会員 ◎青山学院大学、学習院大学 非常勤講師【受賞歴】カンヌライオンズ、OneShow、クリオ賞、NYフェスティバル、reddotデザイン賞、iFコミュニケーションデザイン賞、クリエイターオブザイヤー、Webクリエーション・アウォード、東京インタラクティフブアドアワード、ACC賞、電通賞など多数。
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藤崎 実 藤崎 実 • 2015年7月22日


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